33歳男性
鵞足炎(がそくえん)&シンスプリント(ランナー障害)で来院。
鵞足は、縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はくきん)、半腱様筋(はんけんようきん)が腱となり膝の内側で脛骨の上部に付着している部分です。鵞鳥の足のような形をしているところから、こう呼ばれています。
鵞足炎は、この鵞足腱や鵞足包(鵞足と内側側副靱帯の間にある滑液包)が炎症を起こしている状態です。陸上競技やサッカーの選手に多く、ランニング動作で脚を後ろに蹴り出す時やサッカーのキックで蹴り出した脚を減速させる時などに、過度の負荷がかかったり、鵞足と内側側副靱帯とがこすれあったりして起こります。ウォーミングアップ不足や、急に長い距離を走ったり使いすぎたりということが原因としてあげられますが、X脚(膝をまっすぐにそろえて立つと足首の内側にすき間ができる)や回内足(着地時に足が外がえしになる)などの骨格異常や練習場所(アスファルト、坂など)にも起因します。
いずれにしても予防は縫工筋、薄筋、半腱様筋を意識したストレッチは必須です。
一方シンスプリントは、スネの部分が痛くなるのですが、足関節の背屈(足首を上に動かす方向)の動く範囲の低下、偏平足、かかとの骨の歪み、ジャンプや着地の多い競技でも衝撃の繰り返しにより頸骨の骨膜が痛みを発生します。ここまでくると疲労骨折の手前と考えてケアーを続けなければなりません。大切なのは原因が何か、フォーム不良なのか、筋肉または関節の硬さが原因なのか、筋力不足なのか、、、、どれなのかしっかりと評価し、根気強く、治療とフォームの改善、筋肉の使い方まで含めて根本的に治療をしなければ再発する可能性は高いです。
彼もストレッチはかなり実践してる方ですが、細かくこれらの部位を意識的にストレッチをできてなかったのでテンションがかかり過ぎとのだと思います。
その状態の中で、坂道(下りで)ミッド(足の裏の真ん中)を意識し過ぎて練習を重ねて衝撃が蓄積されたのだと思います。
スネとふくらはぎはパンパンで太ももも疲労が蓄積されているので、先ずは脚全体をゆるめ、組織液を飛ばして、骨膜の整復とアイシングで、痛みは40%ほど軽減しましたが、走り方のフォームの改善とストレッチとアイシングの指導をして少しづつ馴染ませながら治療を進めています。
何の治療でもそうですが、痛みを発生した根本的な原因を改善しなければ、必ず再発しますので、これを機会に是非健康のためになにか一つ実践してみてください。
2014
04Feb
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