僕もまったく同感な考えで、最近運動が様々な病気の予防や治療に役立つという研究結果が実証されてます(当たり前ですが!)
人間は元々動物ですから、、、現代社会において人間の機能が退化してると思います。
以下、坪田教授の記事をご紹介します。
●動かない生活はタバコを吸うのと同じくらい体に悪い
「タバコは体に悪い」「タバコを吸うとがんになるよ」と言われて驚く人はいませんね。ところが「座りっぱなしだと早死にする」「体を動かさないとがんになるよ」と言われても「えーっ? そんなことあるの?」と信じられない人が多いようです。じつは、これは本当。動かない生活は、タバコと同じくらい体に悪いのです。
座りっぱなしで体を動かさない生活を「セデンタリー・ライフスタイル(Sedentary Lifestyle)」といいます。WHO(世界保健機関)によると、セデンタリー・ライフスタイルは、タバコや不健康な食事、アルコールの飲み過ぎと同様に、がん、糖尿病、心臓病などを引き起こす原因となり、年間およそ200万人の死亡原因になっているとい算出されています。
また、アメリカの男女10万人を14年間追跡した研究(2010年、Thunら)によれば、1日6時間以上座っている人は、3時間以内の人よりも早死にしやすいことがわかりました。他に「太っている人はやせている人よりも座っている時間が長く、やせている人はこまめに動いている時間が長かった」という研究もあります。エイジングが関係するほとんどの病気も、セデンタリー・ライフスタイルによるものだと関わっていると考えられていてといわれているから、つまり座りっぱなしの生活を続けていると、老けるのも早いと考えられるのいうわけです。おまけに動かない生活は脳細胞も殺し、実際に脳が縮んでいくというから怖い。
「健康のためには運動したほうがよい」ということは誰でも知っているけれど、「運動しないこと」が招く弊害についてはあまり知られていません。運動は“できればしたほうがよい”ものではなく、「運動しないと早く老化し、早死にする」。これが、科学の進歩によってわかってきた新たな常識なのです。
●人間は体を動かしてこそうまくいくようにできている
そもそも、人類が誕生した約100万年前は、狩猟生活で獲物を捕らえられなければ食べ物にありつけず、慢性的な飢餓状態でした。獲物が倒れるまで走り殺しっていた当時の人は、毎日20kmくらい走っていたようです。その後1万年くらい前に農耕が始まったものの、人間が毎日安定して食べられるようなったのは、たかだか100年ほど前。それまでの約99万9900年間、飢餓と闘ってきた人間の遺伝子は、飽食の時代となった現代でも「食べ物があるときは、できるだけ蓄えておけ」という命令を出し続けています。それを受けて血糖値をコントロールするインスリンも、余分な糖質を体脂肪に変えてどんどん貯蔵するようにはたらき、肥満やメタボリックシンドロームが進行するわけです。
運動についてもしかり。1日20kmも走っていた時代から、農耕が始まり、機械化が進むにつれて運動量はどんどん減っていきました。そして現代は、交通機関が整備され、車で移動するのが当たり前となりが普及し、仕事もパソコンと向き合って1日中座りっぱなしという人が増えましたが、100万年前に遺伝子が決定したときはこのような状況は想定されていませんでした。運動をしないと、体も脳もちゃんと機能できない設計になっているのに、現代のライフスタイルはどんどん動かなくていい方向へシフトし、祖先から受け継いだ遺伝子とつり合わなくなっているのです。
●運動を抜きにしてアンチエイジングは語れない
世界で1日に4時間以上座って過ごす人は41.5%だといわれています。ところが、今、日本のビジネスマンやOLの多くは、1日8時間、9時間座りっぱなしでいることもざら珍しくありません。WHOの調査によると、日本では座りっぱなしの生活をしている人が、じつに65.3%を占めています。日本人は、世界的に見ても座っている時間が長いのです。デスクワークをしている人は、座りっぱなしの生活を変えることは難しいかもしれません。でも、日常の活動量を増やすことで対抗は可能だし、難しいからこそ、なおさら意識して体を動かし、脳を活性化することが大切なのです。
そんな「セデンタリー・ライフスタイル」についての提言を拙著『1日6時間座っている人は早死にする!』(ベスト新書)にまとめました。運動と遺伝子の関係や、効果的な運動のしかたについてもご紹介していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
僕自身、15年ほど前、5kmのチャリティマラソンに参加するようになったのをきっかけに、今も「走る」ことを実践しています。最初は5km走るのも体がついていかずに疲れきっていましたが、そのチャリティマラソンで友人とタイムを競い合うようになり、トレーニングをするうちにだんだん走れる距離が伸びて、ついにフルマラソンに、そしてトライアスロンにも挑戦しました。今は5kmは簡単に走れるようになり、平均して1日に5~7kmは走っています。これだけ走るには時間の使い方も工夫する必要があるのだけれど、仕事の生産性はむしろ上がっています。運動をして、体調がよくなり、頭も冴えているからだと思います。
僕たちの体は太古から受け継がれた遺伝子によってつくられていて、若々しく歳を重ねることも、寿命の長さも、いかにして日々運動するかにかかっています。だから、運動を抜きにしてアンチエイジングは語れません。どうですか、「やっぱり少しは体を動かそう」と思っていただけたでしょうか? さあ、立ち上がり、一歩踏み出そう。
●運動を続けるための3大要素
「そうはいっても疲れちゃってなかなか続けられない」という人のために、ごきげんに運動を続けられる秘訣をご紹介しましょう。
1 自主性をもつ
自分の好きな運動を自分の意志で始める。誰かに言われて運動しても長続きしない。
2 関係性をもつ
仲間と一緒に運動した方が楽しいし、喜びも分かち合える。
3 能力に合わせる
無理せず、失敗しないところから。「5kmは無理だけど500mの早歩きならできそうだ」と思ったらやってみる。できたら「偉いぞ!」と自分でほめて、次は600m。
『1日6時間座っている人は早死にする!』 ベスト新書/780円
●動かない生活は、じつはタバコと同じくらい身体に悪い!
●座っている時間が長いと、運動しても太る!
●腰痛は座りっぱなしによって引き起こされる!
●立って考えると集中力が増し、アイデアがひらめく!
●運動で遺伝子のスイッチが切り変わる!
現代人は日常のなかで、座っている時間がどんどん長くなってきた。座りっぱなしで、身体を動かさない生活を「セデンタリー・ライフスタイル(Sedentary Lifestyle)」という。WHO(世界保健機構)によると、セデンタリー・ライフスタイルは、タバコなどと同様に、ガン、糖尿病、心血管障害、慢性呼吸器系疾患を引き起こす原因となり、年間およそ200万人の死亡原因になっている。国民の65%が座りっぱなし生活だという日本人に捧げる、現在、そして未来の健康のための本。
Profile
坪田 一男(つぼた かずお)
慶應義塾大学医学部教授・慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表。1955年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。ハーバード大学留学、クリニカルフェロー修了。2000年より最先端のアンチエイジング医学を学び、医療界に積極的に導入。現在、日本抗加齢医学会副理事長、日本再生医療学会理事、学会誌「アンチエイジング医学」の編集長、慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表などを務める。南青山アイクリニック手術顧問を務め、眼科専門医による安全なレーシック(近視手術)の提供・指導も行う。『ごきげんな人は10年長生きできる』(文藝春秋)など著書多数。
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