37歳女性
股関節を曲げると刺さるような?詰まるような?痛みが走るので診てほしいと来院。
税理士として普段はデスクワークが多く、多趣味で、クラシックバレエ、ピラティス、ヨガ、ランニングと仕事が終わると毎日スタジオに駆けつけるといったライフスタイル。
膝を持ち上げると、左の股関が痛みのせいでINに入ってこない。ベッドに仰向けに寝てもらい検査をすると、右の股関節はかなり動きは良いが、左はINに入れると壁にぶち当たるように邪魔者がいる感じ?
一本一本の腱と筋肉を診ていくと内転筋群、薄筋、恥骨筋、大腿直筋、縫工筋の起始部(骨の付着部)
が邪魔をしている感じで、これらが突き刺さるような痛みを発生させてる模様。
組織的変化を起こした、各腱を一つ一つ矯正し、大腿部(表、裏)のコンディションを取り戻し、筋膜ストレッチをかけると可動域は改善され、引っかかりも減り、痛みも減少しました。
彼女の場合は、バレエではターンアウトする特殊な動きを要求され、ピラティス、ヨガ、ランニングは、INに入れるバレエとは反対の動きを要求されます(骨盤も内に入り、鼠蹊靭帯も短縮)そのため広範囲での柔軟性と筋力が必要になり、組織が成長するスピードと運動量と技術のスピードに無理が生じて壊れたのでしょう。
トレーニング量に比例してフィジカルケアーも増やさなければなりません。身体の動きが悪い中でトレーニングしても効果は出ないばかりか身体を壊します。
☆ここでミニ知識☆
筋肉は腱となって骨に付着していますが、様々な方向からの衝撃(圧力、牽引力など)により腱(靭帯も同じこと)と骨の付着部の組織的構造が変化します。中でも座骨結節(お尻の骨)恥骨周囲、肩周りなどは影響を受けやすく腱の中に骨の成分(カルシウム)が入り込み自由な動きを妨げてしまいます(腱の質が変化します)こうなると関節を曲げたり伸ばしたときに、腱や靭帯が本来の機能を発揮できずに関節の動きを制限してしまい、そのまま使ってると腱や靭帯を囲んでる筋膜もねじれたり、破れたりして痛みが発生してしまいます。
予防としては常にコンディションのよい筋肉、筋膜の状態を保ってることと、違和感を感じたら軽く考えないですぐに治療をすれば痛みは最小限で済みます。放っておくと他の組織が癒着したり痛みを補おうとして他の筋肉にも負担がかかり、症状はかなり激しくなり、治療期間が長く掛かります。(骨周辺をグリグリしたくなったら要注意ですよ!)
最悪の症状は脚は挙らなくなりジッとしててもムズムズして堪え難い痛みのなかで運動を続けなければなりません。股関節や肩は関節の中でも可動域が大きく沢山の仕事をしてます。そして股関節は上半身の重さと重力を左右の股関節だけで受け止めています。寝てるとき以外は股関節はズーッと身体を支えてくれてます。
そりゃ〜詰まってくるのも当然と言えますね!
関節の動きと筋力の維持をしてなければ、年齢を重ねてから変形性股関節症や人工関節のお世話になる方も多いので、身体はメンテナンスはとても重要です。
いつまでも自分の身体で快適に人生を楽しみましょう!
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